エンタメクラブ 番外編12:エンタメクラブ 1つだけ編
「無人島に1つだけ持っていくとしたら」
放課後の教室。部活中。
そんな他愛もない話を、みんなと始めた。
松の場合。
「ゲーム。今やってるやつ、展開がアツくて」
「ゲーム!?」
「前に某ゲーム内のアンケートであったな、何を無人島に持っていくかってやつ。あれ、持ち物ゲームに投票したのおまえか」
茜さんの場合。
「だったらスマホですよ、絶対。ゲームだってできるし、助けもすぐ呼べる」
「スマホ持ってったところでネット繋げなくない? 充電もできないし」
「あぁ、そっか!」
葉山の場合。
「とりあえず当面の食料」
森の場合。
「ナイフ……か?」
「サバイバルする気満々だね」
高木の場合。
「そうだなー……彼女? でも物じゃないしなぁ」
「何言ってるのよ、もう!」
「余所でやれバカップル」
私の場合。
「私はー……」
ふと顔を上げると、好きな人と目が合った。
慌てて首を振る。
「わ、私もナイフかな! でも、チョコレートとかも非常食には良いんだっけ? ならチョコレートを一欠ポケットに忍ばせて、ナイフは普通に持ち物として」
「それは2つじゃん! ズル!」
「あはははは」
本当は、彼女の名を上げる、あのカップルがちょっと羨ましかった。私も、好きな人が一緒なら、きっと他に何もいらないから。たった1つだけ、君だけがいれば。
そんなことを考えながら、2人で無人島に降り立ってしまう想像――妄想をしてみる。いや、実際はきっと大変だろうな。
着ぐるみ理事長の場合。
「私? 笑ちゃんかな!」
「え!?」
「一緒にいるだけで楽しくなりそう〜。それに、困ったら全部やってもらうから!」
「それ、大変なこと押し付ける相手に丁度良いってことですか!?」
「あははは。でも、一緒にいたら楽しそうだって思ってるのは本当。ヒロ君、笑ちゃんは貰ってくね」
「は?」
なんだかんだで、みんな、1つだけ――いや、1人だけでも、誰かがいればそれでいいのかもしれないね。
「無人島に1つだけ持っていくとしたら」
放課後の教室。部活中。
そんな他愛もない話を、みんなと始めた。
松の場合。
「ゲーム。今やってるやつ、展開がアツくて」
「ゲーム!?」
「前に某ゲーム内のアンケートであったな、何を無人島に持っていくかってやつ。あれ、持ち物ゲームに投票したのおまえか」
茜さんの場合。
「だったらスマホですよ、絶対。ゲームだってできるし、助けもすぐ呼べる」
「スマホ持ってったところでネット繋げなくない? 充電もできないし」
「あぁ、そっか!」
葉山の場合。
「とりあえず当面の食料」
森の場合。
「ナイフ……か?」
「サバイバルする気満々だね」
高木の場合。
「そうだなー……彼女? でも物じゃないしなぁ」
「何言ってるのよ、もう!」
「余所でやれバカップル」
私の場合。
「私はー……」
ふと顔を上げると、好きな人と目が合った。
慌てて首を振る。
「わ、私もナイフかな! でも、チョコレートとかも非常食には良いんだっけ? ならチョコレートを一欠ポケットに忍ばせて、ナイフは普通に持ち物として」
「それは2つじゃん! ズル!」
「あはははは」
本当は、彼女の名を上げる、あのカップルがちょっと羨ましかった。私も、好きな人が一緒なら、きっと他に何もいらないから。たった1つだけ、君だけがいれば。
そんなことを考えながら、2人で無人島に降り立ってしまう想像――妄想をしてみる。いや、実際はきっと大変だろうな。
着ぐるみ理事長の場合。
「私? 笑ちゃんかな!」
「え!?」
「一緒にいるだけで楽しくなりそう〜。それに、困ったら全部やってもらうから!」
「それ、大変なこと押し付ける相手に丁度良いってことですか!?」
「あははは。でも、一緒にいたら楽しそうだって思ってるのは本当。ヒロ君、笑ちゃんは貰ってくね」
「は?」
なんだかんだで、みんな、1つだけ――いや、1人だけでも、誰かがいればそれでいいのかもしれないね。
