グローリ・ワーカ 〜Next Stage〜   第1章:赤と青の攻防戦

 ちゅんちゅん……。
 鳥の鳴き声が遠くから聞こえる。カーテンの隙間から日差しが漏れている。
 朝だ。
「…………」
 マニュアはベッドの中で目を覚ました。
 魔王を倒して3日。まだ生活リズムは戻っていないが、それでもちゃんと朝に目覚めることができたようだ。
(……なんか、すごく懐かしい……昔の夢を見た気がする……)
 むくりと体を起こす。
 カーテンを開けると、長い祭りが続いていた。たくさんの屋台や、ステージで踊る人々が見える。
(あぁ。だから――あんな夢……って、どんな夢だっけ? もう忘れてる)
 楽しい夢だったのにあっさりと忘れてしまったようで、マニュアは頭を抱えた。
「うーん……ま、いいか」
 それも思い直して、部屋を見渡した。仲間の女の子達はまだ眠っている。
「――というわけで、起きろー! 祭り行くよー!」
 みんなの体を揺さぶった。

「今日もいろいろ見て回るよー! 遊ぶよー!」
「楽しそうだな」
「そりゃぁ楽しいよ! ニールは楽しくないの!?」
「いや、楽しいけど」
 祭りを見て回る。いろんな屋台が繁盛している。お店も通りへと品物を並べて、行き交う人々を引き留めてはたくさんの商品を薦めている。
「あっ、見てコレ」
 アリスが立ち止まって、通りに並べられた1つの商品を指差した。
「あ。マジックカラーボールだっけ? 懐かしい〜」
 そこには昔流行ったマジックカラーボールがあった。
 懐かしさのあまり、手に取って笑う。
「そういえば、小さい頃、これ欲しかったんだけどなかなか手に入らなくてさ。たまたま行った公園で、持ってた子と一緒に遊んだ覚えあるよ」
「あー、そのとき、私も一緒でしたよね」
 アリスとアルトがそんな話をしている。
「俺は結構遊んでたなぁ」
「俺も持ってた!」
 ヤンやストームもそんなことを言う。
「私も1度だけ遊んだことあるよぉ。懐かし〜」
 ティルもそう言って、昔を思い出すように目を細めた。
(…………あ)
 マニュアの視界に一瞬、みんなの姿と誰かの姿が重なった気がした。
「……どうしたの? ホワさん?」
「マー?」
 ぼーっとしてしまったのか。不思議そうに、アリスとティルが顔を覗いてきた。
「あ……。な、なんでもない。そういえば、私も1回しか遊んだことないんだよね」
「魔界にもあったの?」
「いや、なかったけど……。たしか、1回だけ遊んだ」
 そう言って、マジックカラーボールを手に取る。
 すると、なんだか、楽しくなってきてしまって、
「ていうか、久々にこれで遊ばない!?」
 おもわずそんな提案をする。
 みんなも楽しくなってきたのか、
「おーいいね〜」
「俺が勝つけどなー!」
「負けませんよ!」
「よし、んじゃ、やろうぜ」
「2セットくらい買うか?」
 声が弾む。

 祭りはまだまだ終わらない。