ひので町コント   2丁目:明子さん

 とりあえず、書き終わったところで保存してみたら、保存領域が足りずに1話まるまる消滅したので適当に書き直し。

「適当なの!?」

 そんなひので町コント2丁目スタート!!


 2丁目に住む明子(めいこ)さん。
 彼女は綺麗好きで、虫が大嫌い。

 この日も、明子は家に帰るなり、疲れた身体をすぐさまベッドへと沈めた。

「いけないいけない」

 こんな状態で眠れない。と、起き上がる。

 そのとき、見たくもないものを見てしまった。

「ひっ……!!」

 妙な声を上げたのは、視界の端に映ったものへ。それは、見事に黒光りするイニシャルG。
 部屋の隅から丁度カーテンの陰に隠れたところだった。

 綺麗好きで虫嫌いの明子にとって、イニシャルGは天敵。どうしても許せない存在。

「どうしようどうしよう」

 アパートに一人暮らしの明子。たった1人でどうにかするしかなく――。
 明子は、まるで呪文のように呟きながら、これを乗り切る術を考えた。

 そうだ。こういうのはどうだろう?
 このGは無菌室で育ったに違いない。なんたって、綺麗にしているこの部屋に現れたのだから。
 彼が無菌室から出なければならなくなったのは、生き別れの母に出会うため。
 まだ見ぬ母に会うため、外は危険だと知りつつも、安全な無菌室を抜け出してきたのだ。
 母をたずねて三千里。
 ようやく、夢にまで見た母との再会が待っているのだ――!!

「うん。これなら許せるかもしれない……!」

 そうこうしているうちに、カーテンの下を這って、Gはすぐ傍まで来ていた。

 しかし、こんな辛く大変な出来事があったんだと考えれば、それすらも許せる気がしてきた。

「大丈夫大丈夫……」

 けれど、これから出会うという母は無菌室で育っていない。つまりは不潔!
 しかも、もうすぐ出会えるということは、すぐそこにもう1匹のGが存在しているということ!

「いやああぁぁぁぁ――――――――!!」

 思わず自分の妄想に絶叫したその瞬間!
 Gは黒い羽を大きく広げ――。

「――――――――――――!!!!」

 無菌室。
 生き別れ。
 母をたずねて三千里。
 不潔。
 妄想。

 今まで考えていたこと(妄想)が、ガラガラと音を立てて崩れていった。

 そのGがぴたりと額に止まる――。

 同時に、明子は目を回して泡を吹き出したのだ。
 そして、おもいきり後ろへ向かって倒れ――。

 バリバリバリバリ!

「うわああああああ!!??」

 声を上げたのは、隣の部屋に住む光助(こうすけ)さん。

 なんせ、いきなり大きな音を立てて、壁に大きな穴が開いたのだから。

「な、な、な、な……!?」

 その様子はまるでコントだった。
 いきなり壁に穴が開いたかと思ったら、現れたのは、額にGを貼り付けて泡を吹いた女性!!

「と、とりあえず」

 光助はGの姿を確認すると、それを叩き落し、とどめに殺虫剤を噴きつけた!
 そして、見事闘いに勝利した。
 光助はレベルが上がった!

「レベルって何だ!?」


「う、う〜ん……」

 見慣れぬ部屋で、明子は目覚めた。
 そして、そこで事の顛末を聞くこととなった――。

 とりあえず、壁の穴はダンボールで塞いでみた。


 そして、その後――。

 暫くして、2人は付き合うこととなった。
 これが素晴らしき人情。

「人情関係なくない!?」