明日も陽が昇るなんて誰が決めた?





  「さよなら」闇夜





 昨夜投げつけた想いは全て砕け散って、貴方には拾われなかった。
 もうそれで良かったのかも知れない。
 すぐ諦めていれば、今よりももっと良かったのかも知れない。

 鳴り響くベル。

 悪魔のような貴方の優しさと残酷さに、私はもう何もかも判らなくて。
 そして、受話器の向こうの声も、私には解らなくて。
 これが天罰だとしたら、神様は私の味方だったのだろうか? それとも、貴方の味方だったのだろうか?

 夜が明けない。

 想い出の中でだけ、綺麗なままでいられたら。
 今は何もかもがぐちゃぐちゃに散らばっている。

 黒い服を身に纏い、開かれない棺の前へ――

 いっそ恨んだままで。
 綺麗にも装飾せず、全て君へと責任転嫁できたなら。

 涙さえ流れない、何も聴こえない。

「仕方ない」
 と、済ませられたなら、きっと軽い気持ちでいられる。
「そんな簡単なものじゃない」
 ――知っている。

 今はただ何も考えずに、瞼を閉じた。

 静かな煙が空へ。
 貴方との全て、この炎と一緒に灰になればいいのに。

 針は回って、いつかはきっと色褪せて、そんなこともあったな、と受け入れられたならば。
 今はまだ自信はないけれど。
 情愛と悲哀と憎悪と反共感と――全て混ざり合ったこの感情が消える日を。


 闇夜は長く続いている。




 2つの意味で失恋的なもの。
 文章にまとまりがないのはいつものことです。


――――2014/05/06 川柳えむ