親愛なるあなたへ――
猫は宇宙へ行った
ゆらゆらとふわふわと。
上手く進まない足。おかしいな。
体が軽くなって、いつもの庭を飛び出して、遠くまで駆け出した。
青空からその先の向こうへ。
だんだんと体が上手く動かせなくなっていく。
やあやあ、そうか。
私は気付いた。
これが、世に聞く――“宇宙”。
――聞こえますか? こちら、宇宙猫C号。
宇宙はすごい。広い。なかなか前へ進めないことだけが難点だ。
ずいぶんと前に聞いたことがある。人間はなんだか重そうな格好をしないと宇宙にいられないと。
それに比べて、私はすごい。
そのまま、のろのろとすいすいと。
ゆっくりだけど、いつもの姿で進んでいく。
そうやって進んでいったら、隣の星に着きました。
衛星『月』。
――地球の皆さん、どうしてますか? こちらからは、鏡の向こうで見た青い青いまあるい目のような、キレイな星が見えます。
とても体が軽いです。飛び跳ねたらどこまでも飛べそうな。
月をぐるぐる回りながら、その昔、人間が降り立ったとかいう噂に聞いた場所はここかな? そんなことを考えながら。
月面散歩に飽きたら、月をまた離れて、今度はどこへ行こうかと、考える。
うん、どこまでも行けそうな気がしてる。
振り返って見下ろした先には、青い星。
私は今から長い長い旅に出る。いつかきっと帰ってくるから。
その時まで、――ばいばいさようなら。
猫は虹の橋を越えて遠くまで旅に出ました。
猫は宇宙へ行った
ゆらゆらとふわふわと。
上手く進まない足。おかしいな。
体が軽くなって、いつもの庭を飛び出して、遠くまで駆け出した。
青空からその先の向こうへ。
だんだんと体が上手く動かせなくなっていく。
やあやあ、そうか。
私は気付いた。
これが、世に聞く――“宇宙”。
――聞こえますか? こちら、宇宙猫C号。
宇宙はすごい。広い。なかなか前へ進めないことだけが難点だ。
ずいぶんと前に聞いたことがある。人間はなんだか重そうな格好をしないと宇宙にいられないと。
それに比べて、私はすごい。
そのまま、のろのろとすいすいと。
ゆっくりだけど、いつもの姿で進んでいく。
そうやって進んでいったら、隣の星に着きました。
衛星『月』。
――地球の皆さん、どうしてますか? こちらからは、鏡の向こうで見た青い青いまあるい目のような、キレイな星が見えます。
とても体が軽いです。飛び跳ねたらどこまでも飛べそうな。
月をぐるぐる回りながら、その昔、人間が降り立ったとかいう噂に聞いた場所はここかな? そんなことを考えながら。
月面散歩に飽きたら、月をまた離れて、今度はどこへ行こうかと、考える。
うん、どこまでも行けそうな気がしてる。
振り返って見下ろした先には、青い星。
私は今から長い長い旅に出る。いつかきっと帰ってくるから。
その時まで、――ばいばいさようなら。
猫は虹の橋を越えて遠くまで旅に出ました。
――――2016/10/14 川柳えむ