この手を強く握って、そして、開いて。光を手放して。
 もう何もない。ここには何も――。





  Fireworks





 輝く夜空と、道行く人は幸せそうで、仲良く手を繋いで、空を見上げながら。
 小さな私には何もない。一人きり。
 目を伏せる。にぎやかな、大勢の話し声と、夜空に打ち上がる大輪の花。その音だけ感じる。

 誰も気付かないだろう?
 今、ここで一人、大声で叫んでも。すべて、掻き消してくれそうだ。

 腕を伸ばした。まっすぐ、前へ。
 人ごみの向こうに、“あいつ”を見つけた。

 ――今、この不幸は、ダレノセイ?

 私はすべてを失った。お前は通り過ぎる人達と同じ。幸せそうに。

 神様、悪いのは誰ですか? 私ですか? そんなことはない。どうして私だけ。
 ――コンナ目ニ?

 夜空を彩る大きな花。一度だけ。


「――今、2回音がしなかった?」
「え、そう?」


 手から放たれた。光。




 なんかイメージと違うものできたー! 最初はなんかクリスマス周辺の話になりそうな雰囲気だった。夏だよなぁと思ったらなぜかこんなものができた。小説ってか詩っぽいよね。
 あと、本当は、短編だけじゃなくて、他にもアップできるものはあるっちゃぁあるけど(新しいの)もうちょっとキリがついてから……。
 人生色々頑張ります、ハイ。


――――2011/07/31 川柳えむ