ミス研日誌   20XX年 6月 第5週目

 1学期期末試験1週間前。
 この日からテストが終了するまで、学校では部活動禁止となる(大会がある部は別として)。
「もうテスト範囲の復習は終わったし。あとは試験が終了するのを待つだけだな」
 初日の夜だというのに、もうそんなことを言っている男がいる。それは、ミステリー研究部の部長である黒崎 大和、その人だった。
 全体的に黒で統一された部屋。棚の上に並べられたドクロのグッズ。パジャマも黒に白やグレーのドクロ柄があしらわれている。
 さすが、自分のことを『ドクロ』と名乗っているだけあって、自室もなかなかの徹底ぶりだ。
 教科書を閉じ、黒い机から離れて、黒いベッドへと向かう。
「普段から勉強していればこんなものだな。さて、試験明けの部活動のことを考えるかね」
 ベッドへ横になると、彼はそう呟いてニヤリと笑った。
「――やはり、あいつを巻き込むしかないよな」