★ Christmas Tales 2016 ★
〜 シンデレラ 〜
むかしむかしあるところに1人の娘がいました。
両親と幸せに暮らしていましたが、お母さんは早くに亡くなってしまいました。
ある日、お父さんが「娘ー! 新しい母よー!」とばかりに、新しい母親となる人を連れてきました。
それからお父さんも亡くなり、これからが本当の地獄だ……。
シンデレラ(マニュア)「ナレーションいろいろおかしくね?」
継母(陽二)「さーて、早く部屋の掃除、洗濯、料理をおし! ほっほっほ」
シンデレラ(マニュア)「継母が男なのもおかしくね? ていうか、前も継母役やってたよね!?」
継母(陽二)「ほっほっほ」
義姉1(瑠美)「シンデレラ! これ洗っといてちょうだい!」
シンデレラ(マニュア)「へい! ただいま!」
義姉2(唯)「シンデレラ! ここ汚れてるよ!」
シンデレラ(マニュア)「へい! 合点承知の助!」
継母(陽二)「ところで、今日はお城のクリスマスパーティーだけど、ドレスの準備はできてるんだろうね!?」
シンデレラ(マニュア)「とってつけたようなクリスマス要素! えーと……幻惑の呪法で出せばいいかな?」
義姉1(瑠美)「それって呪法解けたらとんでもないことになるやつじゃない?」
シンデレラ(マニュア)「えー。じゃあどうしろと」
継母(陽二)「グローリ・ワーカのマニュアちゃんはお城に住んでたと聞いているぞ! ドレスくらい簡単に用意できるだろうっ!」
シンデレラ(マニュア)「なんというメタ発言! えー……まぁ実家から持ってきてもいいけど……ちょっと待って」
しばらくお待ちください。
シンデレラ(マニュア)「はい。持ってきたよー」
継母(陽二)「よし。それじゃあさっさと着替えてパーティー行ってくるから、あんたは家のことをやっておくんだよ! いいね!」
シンデレラ(マニュア)「拒否権ないんでしょ。知ってる」
こうして、継母と義姉2人はお城のクリスマスパーティーへと出掛けていってしまいました。
シンデレラは窓からお城を眺め、ふぅっと溜め息をつきました。
シンデレラ(マニュア)「夜7時。今ごろ継母と義姉2人はお城でパーティー……それに比べ、私はこのありさま……! こうなったら、お城に破壊の呪法でも放っ――」
???「犯罪の計画はそこまでだよ、シンデレラ!」
シンデレラ(マニュア)「誰っ!?」
???「誰だと言われたら。聞かせてあげよう我が名!」
シンデレラ(マニュア)「いつもは私が魔女っ子サンタ役なのに取られたー!」
サンタ魔法使い(絵夢)「ちょっ……! まだ名乗ってないのにばらすな! あと微妙に表記変えてるから安心して(?)! こほん! ……えーと、龍神絵夢こと着ぐるみ理事長ことサンタ魔法使いが助けに来たよ!」
シンデレラ(マニュア)「人間なの? 魔法使いなの? 猫なの? サンタなの? なんなの?」
サンタ魔法使い(絵夢)「猫の着ぐるみにサンタ衣装かわいいやろがぃ」
シンデレラ(マニュア)「……で、いったい、なんの用事で?」
サンタ魔法使い(絵夢)「いつも頑張ってるシンデレラにプレゼントを持ってきたよ」
サンタ魔法使いが袋からプレゼントを取り出し、シンデレラに渡しました。
開けてみると、中から素敵なドレスとガラスの靴が出てきました。
サンタ魔法使い(絵夢)「それを着てお城のクリスマスパーティーへ行くといいよ」
シンデレラ(マニュア)「おー。サンタさん、ありがとう」
サンタ魔法使い(絵夢)「あと化粧してあげるからじっとしてな」
シンデレラ(マニュア)「えっ……なんかコワイ」
30分後――
サンタ魔法使い(絵夢)「ふー。こんなもんかな。かわいい子をいい感じにさらにかわいくするのは楽しいね」
ドレスを着て、お化粧もして、シンデレラはいつもよりずいぶんと綺麗な恰好になっています。ぱっと見ただけではシンデレラだと気付けないでしょう。
シンデレラ(マニュア)「…………なんか恥ずかしいです」
サンタ魔法使い(絵夢)「んじゃあ、あとは馬車でお城まで行くよー。ヘイ! 馬車!」
サンタ魔法使いは道行く馬車を家の前に止めました。
サンタ魔法使い(絵夢)「お城までお願いします。それじゃあ、シンデレラ、行っておいで! あ、でも、未成年だし、危ないから、12時までには帰っておいで」
シンデレラ(マニュア)「さっきから魔法1回も使ってねええええええええ!!!!!!!! そして理由!」
パーティー会場(お城)に着きました。
シンデレラ(マニュア)「ここがお城……。よしっ。頼もぉーっ!」
バァン! と力強く扉を開けて、シンデレラが入ってきました。
義姉1(瑠美)「道場破りみたいな感じで綺麗な人が入ってきたわよ!?」
義姉2(唯)「なにあれ面白い! アハハハハ!」
継母(陽二)「なんだあいつ!? 俺の国乗っ取り計画は邪魔させないぞ!」
義姉1(瑠美)「お母さん!?」
王子(裕樹)「ん?」
従者(修也)「……入城の仕方が気になりますが、綺麗な娘ですね。ダンスに誘ったらどうですか?」
王子(裕樹)「めんどい」
従者(修也)「いちおう、王子の結婚相手を探すという目的もあるのですからね。このパーティーは」
王子(裕樹)「さすがにまだ結婚する気はねーよ。早いわ」
従者(修也)「いいから、行ってください」
従者に促され、気が乗らないながらも、王子はシンデレラに声をかけます。
王子(裕樹)「あー……。そこのオジョウサン。私ト踊ッテクレマセンカ?」
シンデレラ(マニュア)「ガチガチっすね、王子様。……せっかくのお誘いだけど、乗れませんわ」
王子(裕樹)「こんな恥ずかしい思いして誘ったのになんでだ」
シンデレラ(マニュア)「だって笑ちゃんに悪いし」
王子(裕樹)「は!!!!???? べ、べつに、あいつは関係ねーだろ!!!!」
シンデレラ(マニュア)「というわけで、私はおとなしくお肉食べてます。ウマー」
王子(裕樹)「おい!」
そのとき、お城の時計が鳴り響きました。顔をあげるともう12時です。
シンデレラ(マニュア)「時間経つの早過ぎィ! しょうがない! 帰るか!」
王子(裕樹)「おい待て!」
シンデレラはすたこらさっさと逃げ帰っていきました。
そこに、ガラスの靴を落として……。
従者(修也)「ところで、王子。『笑ちゃん』とは誰ですか? どなたかお相手がいたのですか?」
王子(裕樹)「ちょっと待て!!!! そのメタ発言拾うのか!!??」
継母(陽二)「王子は俺か2人の娘のどっちかと結婚するんだよね!? その、同じ苗字の人がいたら(笑)みたいなことになるような人と結婚なんかしないよね!?」
王子(裕樹)「(笑)とか言ってやるなー!」
そんなこんなで翌日。
従者(修也)「こちらにこの靴の持ち主はおりませんか?」
シンデレラの家に、ガラスの靴を持った王子と従者が現れました。
継母(陽二)「俺です」
王子(裕樹)「嘘つくな。絶対入らないだろ、その足のサイズ」
継母(陽二)「くっ……! 娘達よ! 履いてみな!」
義姉1(瑠美)「入らないわ」
義姉2(唯)「無理」
従者(修也)「そちらの娘さんは?」
シンデレラ(マニュア)「私?」
継母(陽二)「あいつなわけないから、履かせないよ!」
王子(裕樹)「そう言わず、いちおう履かせてみろ」
従者(修也)「どうぞ」
シンデレラが履いてみると、ガラスの靴はぴったりです。
王子(裕樹)「ということは、おまえが昨夜の……」
シンデレラ(マニュア)「ばれてしまってはしょうがない。いかにも。私が昨夜の美少女だ」
義姉1(瑠美)「自分で美少女とか言っちゃうの!?」
義姉2(唯)「面白い! アハハハハ!」
王子(裕樹)「…………ここで会ったが100年目。おめーのせいで、あの後さんざんからかわれたじゃねーか! おまえだけは許さねー!」
シンデレラ(マニュア)「なんですとォ!?」
シンデレラと王子の戦いはこれからだ! 完。
従者(修也)「なんだこのオチ」
めでたしめでたし。
シンデレラ | |
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キャスト | |
シンデレラ | マニュア・ホワイト (グローリ・ワーカ) |
王子 | 森 裕樹 (エンタメクラブ) |
サンタ魔法使い | 龍神 絵夢 (エンタメクラブ) |
継母 | 陽二 (ひので町コント) |
義姉1 | 赤城 瑠美 (ミス研日誌) |
義姉2 | 早瀬 唯 (僕の生存日記) |
従者 | 東間 修也 (神様の望んだセカイ) |