僕の生存日記 番外編3:事件は遊園地裏で起こしてた(第7話裏)
溜息が止まらない『千羽 緋路』です。
俺は『神成 躍人』と共に、『川野辺 葉乃』と『黒井 姫』の仲をぶち壊すべく遊園地へやって来たのだが――どうにも上手くいかない。あ、『今池 輝也』は無関係です。
またしても作戦は失敗に終わった。
だが、俺はめげない! 諦めないぞ!
次の作戦に入る。
お化け屋敷でバラバラ作戦!
ノリノリの黒井姫に引っ張られ、少々怯えながらもお化け屋敷に踏み入っていく葉乃。
葉乃のそんな様子には気付かず、黒井姫は元気良く奥へ奥へと進んでいく。葉乃もそれに続いた。
まっすぐ歩いていくと、少し先の方になにかが見える。
黒井姫には、それがとても楽しそうなものに見えて、葉乃の方を見向きもせずにそのままふらふらとついていってしまう。
それと同じタイミングで、葉乃の傍で破裂音のような大きい音がする。
驚いて振り返る葉乃。驚きながらも、再び前を向くと、そこにはもう黒井姫の姿はない。
迷子になって途方に暮れる葉乃を、スタッフ用出入り口から優しく連れ出す俺――。
「ふはははははははは!」
「な、なんだ、どうした?」
突然笑い出した俺を、神成躍人が驚いて見る。
「いえいえ。今度こそ成功させますよ……! では、行きましょうか!」
俺は神成躍人を連れてこっそりと裏口からお化け屋敷へ入っていった。
「さてと」
俺たち2人は中に入って先回りをするとさっそくスタンバイした。
しばらくして、楽しそうな男女の声が聞こえてきた。――それは紛れもなく、葉乃と黒井姫の声だった。
……どういうことだ?
すでにこの時点で俺の予想とは違っていた。作戦自体には影響はないが――。
――なんで楽しそうなんだよ……!? 葉乃はもっと怖がりだろ!?
葉乃が笑っている。そこだけは、計画とは違っていた。てっきり、もっと怯えているものだと思っていた。
小さい頃から一緒にいるんだ。葉乃がこういったものが苦手なのも知っている。
なのに、なぜ――!?
心に渦巻く嫉妬の炎!!!!
「いくぞおおおおおお!!!! いいですね、先輩!?」
「らじゃーだ!」
神成躍人が黒井姫の目の前に、いくつもの火の玉を用意した。それはカラフルで、とても幻想的だった。さらには、その周囲にいくつかのドクロも浮かび上がらせた。仕掛けは簡単、全部吊っているだけである。
「わぁ」
黒井姫が小さく声を上げてそちらに注目した。
火の玉とドクロ――そしてそれを操る神成躍人は彼女を誘うようにゆっくりと進んでいく。
黒井姫がそれについていくのを確認し、俺はすぐさまそれについていこうとしている葉乃のすぐ近くへと移動した。
そして――、
パァン!!!!
「うわっ!?」
葉乃のすぐ耳元で破裂音を出した。たださっきの風船を破裂させただけだが。
葉乃は驚いてこちらの方を見渡したが、すぐ気の抜けた顔になった。
「あぁもう、びっくりしたぁ!」
驚く葉乃もカワイイぜ☆
「…………あれ? 黒井さん……? 黒井さんは!?」
見事、黒井姫を引き離すことに成功した。葉乃は辺りを見回して困惑している。
よし。あとはこっちにおびき寄せ、スタッフが使う裏道を教えて、そのままはぐれさせれば――。
「黒井さん!!!!」
――え?
……うそおおぉぉぉぉ!?
俺がおびき寄せる暇も誘導する暇もなく、葉乃はその場から消えていた。
ただ先へと猛ダッシュで進む後ろ姿だけが確認できた。
「ちょ、ちょ、ちょっと待てええええ――――――!!!!」
誰もいなくなった空間に、俺の声だけが空しく響いた……。
…………まさか、葉乃の行動がそんなに素早いとは……。
溜息が止まらない『千羽 緋路』です。
俺は『神成 躍人』と共に、『川野辺 葉乃』と『黒井 姫』の仲をぶち壊すべく遊園地へやって来たのだが――どうにも上手くいかない。あ、『今池 輝也』は無関係です。
またしても作戦は失敗に終わった。
だが、俺はめげない! 諦めないぞ!
次の作戦に入る。
お化け屋敷でバラバラ作戦!
ノリノリの黒井姫に引っ張られ、少々怯えながらもお化け屋敷に踏み入っていく葉乃。
葉乃のそんな様子には気付かず、黒井姫は元気良く奥へ奥へと進んでいく。葉乃もそれに続いた。
まっすぐ歩いていくと、少し先の方になにかが見える。
黒井姫には、それがとても楽しそうなものに見えて、葉乃の方を見向きもせずにそのままふらふらとついていってしまう。
それと同じタイミングで、葉乃の傍で破裂音のような大きい音がする。
驚いて振り返る葉乃。驚きながらも、再び前を向くと、そこにはもう黒井姫の姿はない。
迷子になって途方に暮れる葉乃を、スタッフ用出入り口から優しく連れ出す俺――。
「ふはははははははは!」
「な、なんだ、どうした?」
突然笑い出した俺を、神成躍人が驚いて見る。
「いえいえ。今度こそ成功させますよ……! では、行きましょうか!」
俺は神成躍人を連れてこっそりと裏口からお化け屋敷へ入っていった。
「さてと」
俺たち2人は中に入って先回りをするとさっそくスタンバイした。
しばらくして、楽しそうな男女の声が聞こえてきた。――それは紛れもなく、葉乃と黒井姫の声だった。
……どういうことだ?
すでにこの時点で俺の予想とは違っていた。作戦自体には影響はないが――。
――なんで楽しそうなんだよ……!? 葉乃はもっと怖がりだろ!?
葉乃が笑っている。そこだけは、計画とは違っていた。てっきり、もっと怯えているものだと思っていた。
小さい頃から一緒にいるんだ。葉乃がこういったものが苦手なのも知っている。
なのに、なぜ――!?
心に渦巻く嫉妬の炎!!!!
「いくぞおおおおおお!!!! いいですね、先輩!?」
「らじゃーだ!」
神成躍人が黒井姫の目の前に、いくつもの火の玉を用意した。それはカラフルで、とても幻想的だった。さらには、その周囲にいくつかのドクロも浮かび上がらせた。仕掛けは簡単、全部吊っているだけである。
「わぁ」
黒井姫が小さく声を上げてそちらに注目した。
火の玉とドクロ――そしてそれを操る神成躍人は彼女を誘うようにゆっくりと進んでいく。
黒井姫がそれについていくのを確認し、俺はすぐさまそれについていこうとしている葉乃のすぐ近くへと移動した。
そして――、
パァン!!!!
「うわっ!?」
葉乃のすぐ耳元で破裂音を出した。たださっきの風船を破裂させただけだが。
葉乃は驚いてこちらの方を見渡したが、すぐ気の抜けた顔になった。
「あぁもう、びっくりしたぁ!」
驚く葉乃もカワイイぜ☆
「…………あれ? 黒井さん……? 黒井さんは!?」
見事、黒井姫を引き離すことに成功した。葉乃は辺りを見回して困惑している。
よし。あとはこっちにおびき寄せ、スタッフが使う裏道を教えて、そのままはぐれさせれば――。
「黒井さん!!!!」
――え?
……うそおおぉぉぉぉ!?
俺がおびき寄せる暇も誘導する暇もなく、葉乃はその場から消えていた。
ただ先へと猛ダッシュで進む後ろ姿だけが確認できた。
「ちょ、ちょ、ちょっと待てええええ――――――!!!!」
誰もいなくなった空間に、俺の声だけが空しく響いた……。
…………まさか、葉乃の行動がそんなに素早いとは……。