エンタメクラブ Act.1:着ぐるみ、現る
――『君に部長をやってほしいんだ』――……。
「ハ……ハイ……?」
――今、なにを言ったんだ?
私が……部長……?
「ハイ――――――!?」
「じゃ、オッケーね」
「なんでですか!?」
「今、『ハイ』って言ったじゃない」
「そーゆー意味じゃないですよ!!」
――いったいなにを言っているんだ、この人は。
しかし彼女は、私のそんな動揺などまったく気にする様子もなく、あくまでもマイペースで言った。
「イヤ〜、なんと言われても、君にやってもらいたいんだよ〜」
「つーか、なんで私なんですか!?」
――ナゼ、どうして私!? 部長なんてみんなをまとめるリーダー役、私には絶ッ対に向いてない!!
そう思った私は、なによりも気になったことを訊く。
……その答えは、なんとも馬鹿らしい答えだった……。
「この私と似たよーな名前だったから」
私はおもわずコケた。
――フッ……そーでしょうね。この人はそーゆー性格の人だわ。よくわかった……。
「けっこう珍しい名前じゃない? それで、そんな名前の子が入学したって言うからおもわず来ちゃったんだよ〜! 言うなれば、部活っつーより『えむ同盟』ってか『えむ同名』?『えむ』って名前の人が集う部活!」
「わけわかりませんよ……。それって、部活にする必要も、私が部長である必要もないじゃないですか……。ってゆーか、そもそも高等部と大学部って部活は別なんじゃ……。それに、部活にしても、入学したばかりのピカピカの1年生に部長なんてそーゆーことやらせないでしょ、フツー……」
「人生って、なにが起こるかわからないから面白いんだよ」
「聞け――――――っ!! しかも、意味不明だしっっ!!」
「いやまあとにかく。君ならできるって! 君はやればデキル人でしょ?」
「そんなこと言われても……っ、ムリですよ!!」
――もうとにかく。なんと言われようと、私には無理だぁ〜!! 絶対にやりたくないっ!
そう思い、私は抗議を続けた。
いっぽう、着ぐるみ理事長は長い溜め息を吐くと、
「なーんで始める前から決めつけるかな〜? 無理かどうかなんて、やってみなけりゃわからないじゃん!」
――う……。それはたしかにそうなんだけど……。
「でも! そうは言われても……! 自信ないですよ……」
――ちょい待て。そのまえに、いったいなにする部活なんだ?
「大丈夫よ! 君ならイケルと私は確信したね! それに君にピッタリなんだって!」
――なにがどうピッタリなんだよ……。
着ぐるみ理事長は笑顔だ。
いや……だが、しかし……。
「やっぱり、無理……。それに、イヤなものはイヤですよ……」
私はそう言って断ることにした。……だが。
「キミさ。この学校で、いったいなにをしたいの? 普通じゃできないことをしたいんでしょ?」
――この人は……いったいどこまで心を読んだんだ?
なんだか、とつぜん恐ろしくなってしまった。
――こんな人と一緒に部活だなんて、私はごめんだ!
あくまでも抗議を続ける。しかし、着ぐるみ理事長も引き下がろうとしない。
しかも、最後の手段とばかりに、こんなことを言ってきたのだ!
「君……森君が好きなんだよね……? ……バラされたい?」
脅迫された。
――っっこいつは――――――――!!
「……君に選択の余地はない! つーことで決まりね」
……かくして。
私の不思議な学園生活は幕を開けたのであった……。
――『君に部長をやってほしいんだ』――……。
「ハ……ハイ……?」
――今、なにを言ったんだ?
私が……部長……?
「ハイ――――――!?」
「じゃ、オッケーね」
「なんでですか!?」
「今、『ハイ』って言ったじゃない」
「そーゆー意味じゃないですよ!!」
――いったいなにを言っているんだ、この人は。
しかし彼女は、私のそんな動揺などまったく気にする様子もなく、あくまでもマイペースで言った。
「イヤ〜、なんと言われても、君にやってもらいたいんだよ〜」
「つーか、なんで私なんですか!?」
――ナゼ、どうして私!? 部長なんてみんなをまとめるリーダー役、私には絶ッ対に向いてない!!
そう思った私は、なによりも気になったことを訊く。
……その答えは、なんとも馬鹿らしい答えだった……。
「この私と似たよーな名前だったから」
私はおもわずコケた。
――フッ……そーでしょうね。この人はそーゆー性格の人だわ。よくわかった……。
「けっこう珍しい名前じゃない? それで、そんな名前の子が入学したって言うからおもわず来ちゃったんだよ〜! 言うなれば、部活っつーより『えむ同盟』ってか『えむ同名』?『えむ』って名前の人が集う部活!」
「わけわかりませんよ……。それって、部活にする必要も、私が部長である必要もないじゃないですか……。ってゆーか、そもそも高等部と大学部って部活は別なんじゃ……。それに、部活にしても、入学したばかりのピカピカの1年生に部長なんてそーゆーことやらせないでしょ、フツー……」
「人生って、なにが起こるかわからないから面白いんだよ」
「聞け――――――っ!! しかも、意味不明だしっっ!!」
「いやまあとにかく。君ならできるって! 君はやればデキル人でしょ?」
「そんなこと言われても……っ、ムリですよ!!」
――もうとにかく。なんと言われようと、私には無理だぁ〜!! 絶対にやりたくないっ!
そう思い、私は抗議を続けた。
いっぽう、着ぐるみ理事長は長い溜め息を吐くと、
「なーんで始める前から決めつけるかな〜? 無理かどうかなんて、やってみなけりゃわからないじゃん!」
――う……。それはたしかにそうなんだけど……。
「でも! そうは言われても……! 自信ないですよ……」
――ちょい待て。そのまえに、いったいなにする部活なんだ?
「大丈夫よ! 君ならイケルと私は確信したね! それに君にピッタリなんだって!」
――なにがどうピッタリなんだよ……。
着ぐるみ理事長は笑顔だ。
いや……だが、しかし……。
「やっぱり、無理……。それに、イヤなものはイヤですよ……」
私はそう言って断ることにした。……だが。
「キミさ。この学校で、いったいなにをしたいの? 普通じゃできないことをしたいんでしょ?」
――この人は……いったいどこまで心を読んだんだ?
なんだか、とつぜん恐ろしくなってしまった。
――こんな人と一緒に部活だなんて、私はごめんだ!
あくまでも抗議を続ける。しかし、着ぐるみ理事長も引き下がろうとしない。
しかも、最後の手段とばかりに、こんなことを言ってきたのだ!
「君……森君が好きなんだよね……? ……バラされたい?」
脅迫された。
――っっこいつは――――――――!!
「……君に選択の余地はない! つーことで決まりね」
……かくして。
私の不思議な学園生活は幕を開けたのであった……。