エンタメクラブ 番外編3:エンタメクラブ 田舎へ帰る道編
「あ゛〜……つっかれた!!」
放課後、部活の時間。そう言いながら、グロッキー状態の着ぐるみ理事長が部室に入ってきた。
「ど、どーしたんですか……?」
目の下には隈、顔色も明らかに悪い……。
そんな着ぐるみ理事長に、私は少し怯えながら尋ねる。
着ぐるみ理事長はなんともだるそうな声で答えた。
「……学園の資料に徹夜で目を通してたの…………印も押さないといけないがいくつもあるし……理事長の仕事だから…………」
「…………――あぁっ!!!!!!」
ごめん。すっかり忘れてたけど……。
――着ぐるみ理事長って、理事長だったんだっけ?
「……オイコラマテ。『着ぐるみ理事長』とか呼んでいながら、今さらなにを言う……?」
「あ、あはははははは……」
心を読んだらしい着ぐるみ理事長が、据わった目をして言ってきた。
それに乾いた苦笑いを浮かべる私。――だって、だってさぁ。普段が普段だしさぁ。
どうやら徹夜明けで機嫌が悪かったらしい着ぐるみ理事長。とんでもないことを言い出した。
「――怒った」
「……は?」
「『怒った』って言ったの! 俺、もーいー。理事長、ストライキする!! もう知らねーからな! 夜露死苦!」
「…………はぁぁ? しかも、『俺』とか『夜露死苦』ってなに……」
「とにかく、ストライキするの!」
とつぜんの着ぐるみ理事長の言葉に、そこにいたみんな、目が点になった……。
「……なに言ってんだ、こいつ……」
さすがの森も呆れ顔だ……。
「あの……す、すとらいきって……?」
「仕事サボるってワケ? その間の理事長はどーすんだよ」
「なんでまた急にそんなこと……」
私たちも口々に言う。
しかし、着ぐるみ理事長は聞かず、
「うるさーい! するって言ったらする! 実家へ帰ります! 探さないでください――――――!!!!」
そう叫ぶと、どこからか紙をサッと取り出し、一言――『探さないでください』――そう書き残して部室を出て行ってしまった……。
「……ホント、あいつってワケわかんねーよな……」
森が呆れ口調で言った。
それに、葉山も頷いている。
「それにしても……本気で戻ってこない気? あいつ……まぁ、どっちでもいいけど」
宵ちゃんが冷たく言う。
私は――……。
「ちょっと言い過ぎたかなぁ……?」
おもわずそう呟くと、森と葉山が、
「木谷が悪いことねーだろ!」「木谷さんはなにも悪いことしてないよ!」
とすぐさま言ってくれた。
――そう言ってもらえると、とてもありがたい……。けど……。
「でも……ねぇ。どうする?」
私はとくに誰に訊くでもなく言う。
それに宵ちゃんが答えた。
「べつに。ほっとくしかないんじゃない?」
「い、いいのかな、それで……? 学園のほう、困らない?」
「大丈夫じゃないの? さっきあの人が言ってた『学園の資料』ってヤツのほうは、とりあえず目通して印押したんでしょ? まぁそれに、お腹空いたら戻ってくるでしょ」
「そ、そーゆーもんかなぁ……?」
そんな話をしてたところへ、顧問の小坂先生が慌てた様子で部屋へ駆け込んできた。
「ちょっとちょっとちょっと!!」
「あ、先生。こんにちはー」
私はのんびりと挨拶した。
だが、小坂先生はそれどころではないようで。
「理事長は!?」
「え? き、着ぐるみ理事長……? さっき出て行きましたけど……どうかしたんですか?」
「どーしたもこーしたも! 今日、理事長が捺印したくれたはずの大切な学園の資料がまだ届いてないから、捜し出して貰ってくるように言われたの!!」
「ええええええええええええ――――――――――!!!!????」
――かくして、私たちの着ぐるみ理事長大捜索が始まった……。
脳内BGMに踊る大捜○線が流れる。
「そっちいたか?」
「いないぞ。そっちはどう?」
「全然いなかったよ……」
「あいつ、ホントにどこ行ったんだよ!? 連絡もつかないし!」
携帯に連絡を入れても無反応。どうしようもないから、学園内(とりあえず高等部内)を捜し回ってみるがなかなか見つからない。
「高等部にいないなら、大学部のほう見てみる? いちおう、あの人、大学生だし……」
「大学部かー。大学も広いからねぇ……」
――っていうか、この学園は広すぎる。端から端までなんて、とうてい人間の足じゃ行けない! 何時間かかることやら……。
「あいつは、この広い学園内を知り尽くしてるんだろうな……俺達に、そんなヤツが見つけられるのか……?」
森がそう言った。
その言葉に少し不安になるけれど……でも、ほっとくわけにはいかない。なんていったって、学園の命運かかってるみたいだから!(滝汗)
――ん? あれ……そういえば…………。
「あのとき……着ぐるみ理事長、なんて言った?」
私は、ふと思ったことを口にしてみた。
「『あのとき』?」
「そう。部室出てくときだよ! たしか……『実家に帰ります』とか言ってなかったっけ……?」
――たしかそう言ってたはず。置手紙(?)のほうには『探さないでください』としか書いてなかったけど……。
「実家――ってことは……家に帰ったのか?」
「着ぐるみ理事長の家って、どこなんだ?」
「笑。知ってる?」
「え? し、知らない……あ、でも! 先生達に訊けばわかるんじゃない!?」
そんなわけで、私達は、とりあえず職員室へと向かった。
「理事長の家?」
「はい。知らなければ、理事長に関する資料を見たいのですが……」
高等部の職員室。
私達は部屋の中にいた先生に、片っ端から着ぐるみ理事長の家を尋ねた。
――結果。みんな知らないらしい。
なぜ誰も知らないのだろうか。
ダメ元で、着ぐるみ理事長のデータを見せてくれと頼んだところ――個人情報だから……と1度は断られたものの、私達と着ぐるみ理事長の関係性を考えて、そして緊急事態ともあって、特別に見せてもらえることとなった。
大学部にある理事長室にゆっくりと入る。
そして、一緒にやって来た小坂先生は、鍵のかかった棚から1つのファイルを取り出した。
「これが、理事長のデータらしいんだけど……」
部屋の真ん中にある客用の机にファイルを広げる。
ファイルに綴じられていた紙には、私たちが知らない、着ぐるみ理事長の様々なことが書かれていた。
「着ぐるみ理事長、20歳の時に、亡くなったお祖父さんから理事長の座を譲り受ける……わりと最近のことなんだね」
「つーか、なんで、あいつが? 普通、親が理事長になるんじゃないのか?」
「あの人が15歳の時に、竜神小、中学校が他の学校と合併して、今の竜神学園になったんだね……」
「へぇ……知らなかった」
「合併知らなかったの?」
「学園の資産……数千億!!!!????」
「え!? 着ぐるみ理事長って、A型なの!? 見えないんだけど……」
「――って、じゃなくて! いいのか? 理事長の住所見なくて……」
森に言われてはっとする。
――そうだそうだ。そのために来たんだった。
「しかし、あの人もホント謎だね。先生達、みんな、住所も電話番号すら知らないって言うし」
私は紙を見ながら言った。
――そうなのだ。さっきも思ったけれど。実に不思議なことは、先生達が理事長の住所も電話番号すらも知らないという。……理事長の自宅に連絡とるときってどーしてるんだ……?
「わかってると思うけど……本当はね。ここの部屋には無断で入っちゃいけないし、このデータだって見せちゃいけないのよ。だけど、今回ばかりはしかたなく、ね……」
小坂先生が言う。
――ま、そりゃそうでしょう。個人情報もそうだけど、不法侵入とプライバシーの侵害にあたらないこともないような……どうなんだろう……(良い子は真似しないように)。
「とにかく、これで理事長の家がわかったんだから! 急ごう!!」
「…………これが、着ぐるみ理事長の家…………」
あんな大きな学園の所有者の家なのだから、いったいどんな豪邸が待ち受けているのだろうと、私は内心期待していたのだが――……。
なんてことはない。私の家とさほど変わらない大きさ。よくあるような、小さな庭のある一軒家だった。
とりあえず、インターホンを押してみる。
ピンポーン……。
「はい?」
玄関のドアを開けて出てきたのは――捜していた着ぐるみ理事長、まさにその人だった。
部室を出たときの姿のまま――着ぐるみのままで!
――って、あんた! あんた、家でも着ぐるみなのかぃ!?
それはともかく……!
「着ぐるみ理事長、資料出してませんよね? 資料出さないと……」
バタン!!!!
……ドアは勢いよく閉じられた……。
「ってぇ、着ぐるみ理事長! さっきのことは謝りますから! 学園に戻りましょうぅ!」
慌てて声を掛けてみる。
すると、ゆっくりドアが開いて――
「おーけぃ」
――……。
みんな、勢いよくコケた。
――こ、こんなあっさりOKなのですか、あなたわ……。
――かくして。
着ぐるみ大捜査線は幕を閉じたワケだが……。
まだ、着ぐるみ理事長に関しては謎だらけだ(みんなが住所とか知らなかったりね。秘密主義者?)。
そして……今日のことで、ちょっとだけ着ぐるみ理事長の見方が変わった。
やっぱり着ぐるみ理事長は理事長だった。
自分勝手でも、ちゃんと資料確認とか、理事長らしいことやってるんだな。
「ねぇねぇ! エンタメクラブをまた新しい部にしようかと思うんだけどー」
――ただ、理事長という権限を生かして、こーゆーメチャクチャやるのは、どーかと思うけどね……。
「着ぐるみ理事長! そんなんだから、着ぐるみ理事長が理事長ってコト忘れちゃうんですよー!」
「ナニィ!?『そんなん』とは、どーゆー意味だぁ!?」
「あ゛〜……つっかれた!!」
放課後、部活の時間。そう言いながら、グロッキー状態の着ぐるみ理事長が部室に入ってきた。
「ど、どーしたんですか……?」
目の下には隈、顔色も明らかに悪い……。
そんな着ぐるみ理事長に、私は少し怯えながら尋ねる。
着ぐるみ理事長はなんともだるそうな声で答えた。
「……学園の資料に徹夜で目を通してたの…………印も押さないといけないがいくつもあるし……理事長の仕事だから…………」
「…………――あぁっ!!!!!!」
ごめん。すっかり忘れてたけど……。
――着ぐるみ理事長って、理事長だったんだっけ?
「……オイコラマテ。『着ぐるみ理事長』とか呼んでいながら、今さらなにを言う……?」
「あ、あはははははは……」
心を読んだらしい着ぐるみ理事長が、据わった目をして言ってきた。
それに乾いた苦笑いを浮かべる私。――だって、だってさぁ。普段が普段だしさぁ。
どうやら徹夜明けで機嫌が悪かったらしい着ぐるみ理事長。とんでもないことを言い出した。
「――怒った」
「……は?」
「『怒った』って言ったの! 俺、もーいー。理事長、ストライキする!! もう知らねーからな! 夜露死苦!」
「…………はぁぁ? しかも、『俺』とか『夜露死苦』ってなに……」
「とにかく、ストライキするの!」
とつぜんの着ぐるみ理事長の言葉に、そこにいたみんな、目が点になった……。
「……なに言ってんだ、こいつ……」
さすがの森も呆れ顔だ……。
「あの……す、すとらいきって……?」
「仕事サボるってワケ? その間の理事長はどーすんだよ」
「なんでまた急にそんなこと……」
私たちも口々に言う。
しかし、着ぐるみ理事長は聞かず、
「うるさーい! するって言ったらする! 実家へ帰ります! 探さないでください――――――!!!!」
そう叫ぶと、どこからか紙をサッと取り出し、一言――『探さないでください』――そう書き残して部室を出て行ってしまった……。
「……ホント、あいつってワケわかんねーよな……」
森が呆れ口調で言った。
それに、葉山も頷いている。
「それにしても……本気で戻ってこない気? あいつ……まぁ、どっちでもいいけど」
宵ちゃんが冷たく言う。
私は――……。
「ちょっと言い過ぎたかなぁ……?」
おもわずそう呟くと、森と葉山が、
「木谷が悪いことねーだろ!」「木谷さんはなにも悪いことしてないよ!」
とすぐさま言ってくれた。
――そう言ってもらえると、とてもありがたい……。けど……。
「でも……ねぇ。どうする?」
私はとくに誰に訊くでもなく言う。
それに宵ちゃんが答えた。
「べつに。ほっとくしかないんじゃない?」
「い、いいのかな、それで……? 学園のほう、困らない?」
「大丈夫じゃないの? さっきあの人が言ってた『学園の資料』ってヤツのほうは、とりあえず目通して印押したんでしょ? まぁそれに、お腹空いたら戻ってくるでしょ」
「そ、そーゆーもんかなぁ……?」
そんな話をしてたところへ、顧問の小坂先生が慌てた様子で部屋へ駆け込んできた。
「ちょっとちょっとちょっと!!」
「あ、先生。こんにちはー」
私はのんびりと挨拶した。
だが、小坂先生はそれどころではないようで。
「理事長は!?」
「え? き、着ぐるみ理事長……? さっき出て行きましたけど……どうかしたんですか?」
「どーしたもこーしたも! 今日、理事長が捺印したくれたはずの大切な学園の資料がまだ届いてないから、捜し出して貰ってくるように言われたの!!」
「ええええええええええええ――――――――――!!!!????」
――かくして、私たちの着ぐるみ理事長大捜索が始まった……。
脳内BGMに踊る大捜○線が流れる。
「そっちいたか?」
「いないぞ。そっちはどう?」
「全然いなかったよ……」
「あいつ、ホントにどこ行ったんだよ!? 連絡もつかないし!」
携帯に連絡を入れても無反応。どうしようもないから、学園内(とりあえず高等部内)を捜し回ってみるがなかなか見つからない。
「高等部にいないなら、大学部のほう見てみる? いちおう、あの人、大学生だし……」
「大学部かー。大学も広いからねぇ……」
――っていうか、この学園は広すぎる。端から端までなんて、とうてい人間の足じゃ行けない! 何時間かかることやら……。
「あいつは、この広い学園内を知り尽くしてるんだろうな……俺達に、そんなヤツが見つけられるのか……?」
森がそう言った。
その言葉に少し不安になるけれど……でも、ほっとくわけにはいかない。なんていったって、学園の命運かかってるみたいだから!(滝汗)
――ん? あれ……そういえば…………。
「あのとき……着ぐるみ理事長、なんて言った?」
私は、ふと思ったことを口にしてみた。
「『あのとき』?」
「そう。部室出てくときだよ! たしか……『実家に帰ります』とか言ってなかったっけ……?」
――たしかそう言ってたはず。置手紙(?)のほうには『探さないでください』としか書いてなかったけど……。
「実家――ってことは……家に帰ったのか?」
「着ぐるみ理事長の家って、どこなんだ?」
「笑。知ってる?」
「え? し、知らない……あ、でも! 先生達に訊けばわかるんじゃない!?」
そんなわけで、私達は、とりあえず職員室へと向かった。
「理事長の家?」
「はい。知らなければ、理事長に関する資料を見たいのですが……」
高等部の職員室。
私達は部屋の中にいた先生に、片っ端から着ぐるみ理事長の家を尋ねた。
――結果。みんな知らないらしい。
なぜ誰も知らないのだろうか。
ダメ元で、着ぐるみ理事長のデータを見せてくれと頼んだところ――個人情報だから……と1度は断られたものの、私達と着ぐるみ理事長の関係性を考えて、そして緊急事態ともあって、特別に見せてもらえることとなった。
大学部にある理事長室にゆっくりと入る。
そして、一緒にやって来た小坂先生は、鍵のかかった棚から1つのファイルを取り出した。
「これが、理事長のデータらしいんだけど……」
部屋の真ん中にある客用の机にファイルを広げる。
ファイルに綴じられていた紙には、私たちが知らない、着ぐるみ理事長の様々なことが書かれていた。
「着ぐるみ理事長、20歳の時に、亡くなったお祖父さんから理事長の座を譲り受ける……わりと最近のことなんだね」
「つーか、なんで、あいつが? 普通、親が理事長になるんじゃないのか?」
「あの人が15歳の時に、竜神小、中学校が他の学校と合併して、今の竜神学園になったんだね……」
「へぇ……知らなかった」
「合併知らなかったの?」
「学園の資産……数千億!!!!????」
「え!? 着ぐるみ理事長って、A型なの!? 見えないんだけど……」
「――って、じゃなくて! いいのか? 理事長の住所見なくて……」
森に言われてはっとする。
――そうだそうだ。そのために来たんだった。
「しかし、あの人もホント謎だね。先生達、みんな、住所も電話番号すら知らないって言うし」
私は紙を見ながら言った。
――そうなのだ。さっきも思ったけれど。実に不思議なことは、先生達が理事長の住所も電話番号すらも知らないという。……理事長の自宅に連絡とるときってどーしてるんだ……?
「わかってると思うけど……本当はね。ここの部屋には無断で入っちゃいけないし、このデータだって見せちゃいけないのよ。だけど、今回ばかりはしかたなく、ね……」
小坂先生が言う。
――ま、そりゃそうでしょう。個人情報もそうだけど、不法侵入とプライバシーの侵害にあたらないこともないような……どうなんだろう……(良い子は真似しないように)。
「とにかく、これで理事長の家がわかったんだから! 急ごう!!」
「…………これが、着ぐるみ理事長の家…………」
あんな大きな学園の所有者の家なのだから、いったいどんな豪邸が待ち受けているのだろうと、私は内心期待していたのだが――……。
なんてことはない。私の家とさほど変わらない大きさ。よくあるような、小さな庭のある一軒家だった。
とりあえず、インターホンを押してみる。
ピンポーン……。
「はい?」
玄関のドアを開けて出てきたのは――捜していた着ぐるみ理事長、まさにその人だった。
部室を出たときの姿のまま――着ぐるみのままで!
――って、あんた! あんた、家でも着ぐるみなのかぃ!?
それはともかく……!
「着ぐるみ理事長、資料出してませんよね? 資料出さないと……」
バタン!!!!
……ドアは勢いよく閉じられた……。
「ってぇ、着ぐるみ理事長! さっきのことは謝りますから! 学園に戻りましょうぅ!」
慌てて声を掛けてみる。
すると、ゆっくりドアが開いて――
「おーけぃ」
――……。
みんな、勢いよくコケた。
――こ、こんなあっさりOKなのですか、あなたわ……。
――かくして。
着ぐるみ大捜査線は幕を閉じたワケだが……。
まだ、着ぐるみ理事長に関しては謎だらけだ(みんなが住所とか知らなかったりね。秘密主義者?)。
そして……今日のことで、ちょっとだけ着ぐるみ理事長の見方が変わった。
やっぱり着ぐるみ理事長は理事長だった。
自分勝手でも、ちゃんと資料確認とか、理事長らしいことやってるんだな。
「ねぇねぇ! エンタメクラブをまた新しい部にしようかと思うんだけどー」
――ただ、理事長という権限を生かして、こーゆーメチャクチャやるのは、どーかと思うけどね……。
「着ぐるみ理事長! そんなんだから、着ぐるみ理事長が理事長ってコト忘れちゃうんですよー!」
「ナニィ!?『そんなん』とは、どーゆー意味だぁ!?」