グローリ・ワーカ   第19章:ずっと傍にいる

「ダメな奴だな……」
 どこからか声がした。
 声の聞こえた方向を振り向くと、そこには2つの影。
「「「「魔王様!!」」」」
「お父さん!!」
 そこには魔王とマニュアの父がいた。
 魔王が再び口を開いた。
「……心外だな。おまえたちが仲良くしているとは……」
「ま、魔王様!!」
「そ、そんな!! 魔王様! 誤解ですよ!!」
 四天王は必死に弁解している。
 そこへ、
「なに? いけないの?」
 と強気で言い張るマニュア。
「ちょっと! 余計なこと言わないでよ!」
 ミンミンが怒る。
 しかも、ミンミンだけでなく、
「やっぱりホワイトは生き返らせるべきじゃなかったんじゃね?」
「ですよねー。いると1人目立ち始めるし」
「私が主役だ! って言わんばかりだよね」
「本当、出張ってるもんねー」
「消しとくか?」
「俺が主役だ!」
 ――と、仲間まで騒ぎ出す始末。
「ちょ、ちょいちょい、おまえさんたち……。なんか反感買われてる……っ!」
「と、ともかく、だな……」
 咳払い1つ。父が切り出した。
「……シリア、あれだけ叩き込んだのにそちらに寝返るとは――予想以上に使えんかったな。リーサルウェポンどころか、賢者の石の剣1本にも相当しない」
 シリアを見下したような眼差しで一瞥し、そう言い放った。
「なっ……!?」
「ひ、ひどい……」
 アルトやティル、仲間たちが驚いて呟く。マニュアは……、
「……ひどい!! お父さんっ! バカパパ――!!!!」
 そう怒鳴り散らした。まるで子供のようだ。子供か。
「子供子供言うなぁ!」
 大事なことなので2度言いました。
 と、そんなマニュアに、父が驚くべき言葉を告げた。
「――貴様は、私の本当の子ではない……」
「…………え……?」