グローリ・ワーカ 〜Next Stage〜   第1章:赤と青の攻防戦

「それじゃあ、オレサマたち男子が青チーム。女子が赤チームだ。今回は相手のボールに当たったやつはゲーム終了! 公園のはしっこのベンチで待ってること! んで、最後まで残ったチームがこの公園をシハイできる」
「わかったよ」
「なんで、俺まで……」
 こうして、ミリア・アリ・アルトと、ストーム・ニール・少年の2チームができあがった。
「よし! んじゃ、始めるぞー」
 ストームがボールを構えた。
「って、ボール2つずつだけど、誰が最初持つんだ?」
 ニールが尋ねた。
「オレサマ!!!!」
「言うと思ったけど」
「私持ちたい!」
「え。私も投げたいっす」
 誰が最初にボールを持つのか。わいわいと言い合っている、そのときだった。
「あ。マジックカラーボールだぁ……。楽しそう……」
 もう1人、べつの少女が公園を囲む茂みから出てきた。興味津々でストームの手にあるマジックカラーボールを見つめている。
「なんだ、おめー?」
 ストームが睨む。
 少女は怯えた様子で体を縮こめた。
「あっ、あのっ。ま、マジックカラーボールが楽しそうで……。あうぅ……」
「一緒に遊ぶ?」
 ミリアに声をかけたときのように、アリは少女にそう声をかけた。
「う、うんっ……!」
 少女は嬉しそうに目を輝かせた。
「じゃあ、君は女子の……赤チームだな。1人多くなっちまうけど」
 少年が少女に向かってそう言った。
 ストームは不満そうに声をあげる。
「えー!? 女子チームばっかりずりーぞ! フコーヘーだ!」
「つっても、俺、このゲームやり慣れてるし、そう考えたらハンデあったほうがいいかなって」
 少年が言う。
 その言葉に、ストームもあっさり態度を変えて、
「そうだな! 俺もこれやったことあるし。ハンデ、やってもいいぜぇ?」
『ハンデ』という言葉が、ストームを刺激したらしい。
 俺は強いから、弱いやつらにハンデをやるんだ。と。
「なんかむかつくっすー」
「ぼこぼこにしてやりましょ」
「え、えーと……? とにかく、遊ぶぅ!」
「…………がんばる!」
 ストームとニール(少年が譲った)、そして、ミリアと少女(じゃんけんによって)がボールを持った。
「ゲームスタート!」
 ストームの掛け声で、マジックカラーボールはスタートした。