誰にでも帰る場所がある。
「君は今日もちゃんと家に帰ってゆっくり休むんだよ」





  かえろう





 随分と日が沈むのも遅くなったものだ。
 よく、この高台から日が沈むのを眺めていた。
 街の全体が見渡せる高台。僕はここが大好きだった。
 ここは落ち着く。見渡せるすべてが自分の手の中にあるようで。
 世界のすべてが今ここにあるようだ。

 そろそろ完全に日が沈む。
 時間に気付いていないのか、未だに公園で遊んでいる子供がいる。
 そんな子供たちも、そろそろ自分の家へと帰っていくのだろう。
 ――こうして、人々が少しずつ姿を消していく。
 それは、この世界から消えてしまったわけではない。自分の居場所へと戻っていっただけだ。

 僕も、そろそろかえれなければいけない。
 居場所は、この世界。
 そう、今、この中に飛び込んでいくんだ。かえっていくんだ。

 空に融けた闇色に身を委ねて沈んでいく。
 高台から見渡した、僕の世界の中へと――。




 僕生とか、ちょっとずつ頑張ってます。グローリ完成させたいです。
 ――えぇっと、なんかもうね! なんかもう!(謎)……ちょっといろいろ頑張ります!
 ちなみに、どうでもいいですが、この物語の最後の文章から題名へと繋がるわけです。


――――2011/06/30 川柳えむ