鳥を捕まえた気がしていた。
 あの空を自由に飛ぶ美しい鳥を。
 手に入れたはずが、また消えていった。
 籠の中にはもうなにもいなかった。





  籠の中の鳥





 その日も見事な快晴だった。
 太陽を見上げては目を細めた。
 鳥を探して、僕は高い場所へと向かっていた。
 今までそこにいたはずの、鳥はどこへと消えたのだろう?
 籠に閉じ込めて、逃げられないようにしていたはずなのに。

 昨日まで――鳥は鳴いていた。この籠の中で。
 それがあまりに煩くて、僕は耳を塞いでいた。
 鳥はそこで飾られているだけでいいんだと、囁いた。
 鳥は一瞬鳴き止んだ。そして――、

 鳥は消えていた。

 鳥を捕まえていたはずだった。
 自由な鳥は、もう自由じゃなくなっていた。
 いつの間にか、僕の籠の中で寂しそうにしていた。

 あぁ――。

 僕が、その翼を奪っていたんだ。
 今になって、そう気付く。
 その鳴き声も、僕が出させていたのか――。

 でも、まぁ。
 お飾りの翼でも構わないけれどね。煩い鳥なんていらないよ。
 美しく、僕のために歌ってくれる鳥だけでいいんだ。

 さて、次の鳥を探しに行こう。

 僕は眼下に広がる輝く街を見下ろして笑った。




 スランプが治りません。誰か助けてください。文章書けない(泣)
 結局逃げというか、こんなのができました……。
 次回は絶対近いうちに僕生アップしたい。


――――2010/08/31 川柳えむ