いつしか独りでいた。
孤独が、好きだと思っていたから。
孤独
孤独が好きだった。
誰かと一緒なんて、鬱陶しくて、面倒臭い事。
そんなのを敢えて好む奴とか。
俺には理解なんて出来ない事だった。
ある晴れた日だったと思う。
誰かが、隣に座った。
……誰だよ?
うざったい……煩わしいな……
俺は望まない。
誰か、他人と居る事なんて。絶対に……
「本当は、怖いんでしょ?」
唐突に、そいつが言う。
顔は俺を見て微笑んでいた。
こいつは、何を言っているんだ?
……怖い……?
何で怖い? 何が怖い?
俺が何を恐れているって言うんだ。
「本当は、独り取り残されるのが、怖いくせに」
そのまま続ける。
違う。
俺が望んでいる事だ。
独りが好きなんだ。
「いつか訪れる別れを、恐れているんでしょ。
なら、最初から出逢わない方がいいって。
そう、思っているんでしょ?」
……恐れ……?
俺は、恐れていたのか?
一緒にいる事で、人の温もりを知ってしまって。
でも、いつか必ずやって来る別れに。
俺は、恐れていたのか?
……いや、本当は――
知っていた。
本当は知っていた。
本当は、孤独が好きでなくて……
本当は、孤独を恐れていた……
だからこそ、敢えて孤独で居たんだ……
そんな俺に――
「恐れる必要は無いよ。
別れの代わりに、また、新たな出逢いが待っている筈だから。
ほら。
今、この時のように。
出逢いは訪れるから……」
そして、それから。そいつは今でも俺の隣に座っている。
後書です。
これは昔、某ネット友達のサイトの詩の掲示板に投稿したものですな。
詩っぽく書いていたので、小説になるように修正しました。あまり変わってないけど。元々詩よりも小説に近かったからね。
孤独が、好きだと思っていたから。
孤独
孤独が好きだった。
誰かと一緒なんて、鬱陶しくて、面倒臭い事。
そんなのを敢えて好む奴とか。
俺には理解なんて出来ない事だった。
ある晴れた日だったと思う。
誰かが、隣に座った。
……誰だよ?
うざったい……煩わしいな……
俺は望まない。
誰か、他人と居る事なんて。絶対に……
「本当は、怖いんでしょ?」
唐突に、そいつが言う。
顔は俺を見て微笑んでいた。
こいつは、何を言っているんだ?
……怖い……?
何で怖い? 何が怖い?
俺が何を恐れているって言うんだ。
「本当は、独り取り残されるのが、怖いくせに」
そのまま続ける。
違う。
俺が望んでいる事だ。
独りが好きなんだ。
「いつか訪れる別れを、恐れているんでしょ。
なら、最初から出逢わない方がいいって。
そう、思っているんでしょ?」
……恐れ……?
俺は、恐れていたのか?
一緒にいる事で、人の温もりを知ってしまって。
でも、いつか必ずやって来る別れに。
俺は、恐れていたのか?
……いや、本当は――
知っていた。
本当は知っていた。
本当は、孤独が好きでなくて……
本当は、孤独を恐れていた……
だからこそ、敢えて孤独で居たんだ……
そんな俺に――
「恐れる必要は無いよ。
別れの代わりに、また、新たな出逢いが待っている筈だから。
ほら。
今、この時のように。
出逢いは訪れるから……」
そして、それから。そいつは今でも俺の隣に座っている。
後書です。
これは昔、某ネット友達のサイトの詩の掲示板に投稿したものですな。
詩っぽく書いていたので、小説になるように修正しました。あまり変わってないけど。元々詩よりも小説に近かったからね。
――――2008/02/24 川柳えむ