雨の日の憂鬱。
 私は空をじぃっと見つめていた。
 雲が大粒の涙を零している。





  Raindrops





 雨が降る。
 さーっと流れるように、生まれては消えていく。
 私はそこに立っていて、雨音を聴いていた。
 弾けては消えていく雨粒が、まるで命のようで。一瞬の輝きのために生きているのが悲しくなった。
 ――けれど。
 雨粒は歌い出した。
 まるで、それは励ますように……。
 雨は私の体を優しく包んで、ゆっくりと涙と流れていった。


 私は雨です。
 落ちる地面には、1人の女の人が立っていました。
 彼女は憂鬱そうでした。
 しかし、私達はただ歌うだけ。その一瞬のためだけに生きることしかできません。
 だからせめて――
 私達は歌いました。精一杯、歌いました。
 彼女は泣き出しました。

 しばらくして……私達は消えていきました。
 けれど、その代わりに、空に七色を描いていきました。
 最期に見たのは、彼女の笑顔でした。




 もうあれですが、あえてのタイトルまんまですが。
 このお話のイメージは、某アルバムの1曲目です。まんまです。
 前回のコメントにも書いたけど、泣ける曲ですわ……。
 それにしても、チラ裏ばっかり更新してますな……余裕がないから……。おかげで、文章も微妙です……。


――――2009/03/31 川柳えむ