エンタメクラブ Act.2:部員を探せ!
「なんで入部する気にならないのかなぁ、まったく……」
とりあえず、部員の問題はまた明日にしようということで、今日は家に帰ることに決めて。そして、その帰り道で、着ぐるみ理事長はまだぶつぶつと文句を言っていた。
「……しつこいっすよ、着ぐるみ理事長……」
その着ぐるみ理事長に、私は小声でそう言った。
……着ぐるみ理事長はまだ文句を言っている……。
「でも……そーだねぇ。森のほうで、誰か入部してくれそうな人の心当たりがもしかしたらあるかもしれませんよ?」
私は着ぐるみ理事長に言ってみた。
森の家は茜さんの家のすぐ近くなので、すぐに帰ってしまったのだ。それで……心当たりがあるか訊くのを忘れてしまっていた。
あ、ちなみに、葉山は私達と帰る方向が違うのでここにはいない。学校で別れている(着ぐるみ理事長はついてこないことに文句を言っていたが)。
「そーだね……。でもさ、笑ちゃん。君にはもう心当たりはないのかい?」
着ぐるみ理事長がそう尋ねてきた。
「ええっ? そ、それゎ……」
私は口ごもってしまった。
――べつに、茜さんや……あとあすちゃん以外にお友達がいないとかそーゆーわけじゃ、もちろんないんだけど……でも、心当たりはなかった。みんな部活に所属してるし……いや、してない人も中にはいるけど……なんだか入部してくれるとは思えないしなぁ……とくにあの人は人の頼みなんかきっぱりと断りそうだ。うん、あの人は……。
「……笑ちゃん?」
「ぅわぁっっ!? き、着ぐるみ理事長!! なんですカっ!?」
とつぜん、着ぐるみ理事長に声をかけられ、私は驚きのあまり10センチは軽く飛び上がった気がする。
「……な、なにか……?」
「笑ちゃん……誰かいたんでしょ? 入ってくれそうにはないけど、とりあえず思いついたでしょ?」
――げげっ! よ、読まれてる……。
「でわ、その子の家にレッツゴー!」
すでにやる気満々の着ぐるみ理事長を、私は必死に止めるしかなかった……。
「着ぐるみ理事長〜! 無理なんですぅ〜! 彼女は絶対に入部してくれるような人じゃありませんってば〜」
「そんなの訊いてみないとわかんないじゃない」
「でも……せめて明日にしましょうよ! 急いだってしょうがないことですし! それにもう暗くなり始めているじゃないですか」
私は西の空を指差しながら言った。
西の空は、まるで赤ワインを零したかのように、見事な夕焼けを見せていた(って、それはちょっと言い過ぎかも。でも本当に綺麗な夕焼けで、ぶっちゃけ帰りたい)。
「思い立ったが吉日」
あぁ! しかし、さすが着ぐるみ理事長! 私の話なんかまったく聞いちゃいねぇ!!
「明日にしましょう! どうしても! 今、彼女の家に行けない理由があるんですよ!」
私は、ここは真実を告げるしかないと思った。
「……理由?」
「はい。……私、彼女の家、知らないんです……」
……着ぐるみ理事長は、そのままその場に固まった……。
涼しい風が、私達2人の間を通り過ぎていく……。
「なんで入部する気にならないのかなぁ、まったく……」
とりあえず、部員の問題はまた明日にしようということで、今日は家に帰ることに決めて。そして、その帰り道で、着ぐるみ理事長はまだぶつぶつと文句を言っていた。
「……しつこいっすよ、着ぐるみ理事長……」
その着ぐるみ理事長に、私は小声でそう言った。
……着ぐるみ理事長はまだ文句を言っている……。
「でも……そーだねぇ。森のほうで、誰か入部してくれそうな人の心当たりがもしかしたらあるかもしれませんよ?」
私は着ぐるみ理事長に言ってみた。
森の家は茜さんの家のすぐ近くなので、すぐに帰ってしまったのだ。それで……心当たりがあるか訊くのを忘れてしまっていた。
あ、ちなみに、葉山は私達と帰る方向が違うのでここにはいない。学校で別れている(着ぐるみ理事長はついてこないことに文句を言っていたが)。
「そーだね……。でもさ、笑ちゃん。君にはもう心当たりはないのかい?」
着ぐるみ理事長がそう尋ねてきた。
「ええっ? そ、それゎ……」
私は口ごもってしまった。
――べつに、茜さんや……あとあすちゃん以外にお友達がいないとかそーゆーわけじゃ、もちろんないんだけど……でも、心当たりはなかった。みんな部活に所属してるし……いや、してない人も中にはいるけど……なんだか入部してくれるとは思えないしなぁ……とくにあの人は人の頼みなんかきっぱりと断りそうだ。うん、あの人は……。
「……笑ちゃん?」
「ぅわぁっっ!? き、着ぐるみ理事長!! なんですカっ!?」
とつぜん、着ぐるみ理事長に声をかけられ、私は驚きのあまり10センチは軽く飛び上がった気がする。
「……な、なにか……?」
「笑ちゃん……誰かいたんでしょ? 入ってくれそうにはないけど、とりあえず思いついたでしょ?」
――げげっ! よ、読まれてる……。
「でわ、その子の家にレッツゴー!」
すでにやる気満々の着ぐるみ理事長を、私は必死に止めるしかなかった……。
「着ぐるみ理事長〜! 無理なんですぅ〜! 彼女は絶対に入部してくれるような人じゃありませんってば〜」
「そんなの訊いてみないとわかんないじゃない」
「でも……せめて明日にしましょうよ! 急いだってしょうがないことですし! それにもう暗くなり始めているじゃないですか」
私は西の空を指差しながら言った。
西の空は、まるで赤ワインを零したかのように、見事な夕焼けを見せていた(って、それはちょっと言い過ぎかも。でも本当に綺麗な夕焼けで、ぶっちゃけ帰りたい)。
「思い立ったが吉日」
あぁ! しかし、さすが着ぐるみ理事長! 私の話なんかまったく聞いちゃいねぇ!!
「明日にしましょう! どうしても! 今、彼女の家に行けない理由があるんですよ!」
私は、ここは真実を告げるしかないと思った。
「……理由?」
「はい。……私、彼女の家、知らないんです……」
……着ぐるみ理事長は、そのままその場に固まった……。
涼しい風が、私達2人の間を通り過ぎていく……。