エンタメクラブ Act.3:初めての活動
部活動を行っている教室をこっそりいくつか覗いた後、私は図書館の前に来ていた。
「あ。そうだ。なんか小説でも借りていこうかなぁ?」
私は読書が好きである。
本を読んでいると、あるときはファンタジーの世界で剣を振り回す主人公。またあるときは悲しい恋に生きるヒロイン。そんな、どこか別の世界の住人になれた気がして――楽しい気分になれる。
――あ。『これ』でもいいんだろうか……。
「あれ? 笑ちゃん」
とつぜん、知っている声に話し掛けられた。
驚いて振り返ると、そこには――
「茜さん」
そう、千種 茜さんがそこにいた。
「笑ちゃん、部活は?」
茜さんに尋ねられ、苦笑いで答える。
「実は――」
「大変ですねぇ」
本を数冊抱え、図書館を後にしながら会話する私達。
事情を聞いた茜さんは、私に同情してくれた。
「いったい、着ぐるみ理事長はなにがしたいんだか……」
溜め息を吐きながら、おもわず愚痴る。
「それで、見つかったんですか?」
茜さんの問いに、
「うん……まぁ……。でも、正直、この部活でやる必要はないのかも……」
「へぇ……?」
『?』マークが浮かんだ顔の茜さんに、私は自分がやろうとしていることを話した。
「――まぁ、いいんじゃないですか? それが趣味でやりたいことなら。だって、着ぐるみ理事長が趣味を追求する部活って言ったんでしょう? それに、私は嫌いじゃないっすよ」
「そ、そう? ありがとう」
茜さんの言葉に、私はなんだか少し安心したのと同時に、嬉しくなったのだった。
そして、ついでに、
「あ、茜さんも一緒に部室来る? いちおう、部室できたんだけど」
「え? 行ってもいいんですか?」
「おっけーおっけー。だって、べつに誰もいないし!」
そう言って、茜さんを一緒に部室へ連れて行くことにした。
――でも、自分で言ってて虚しくなったよ? むりやり作らされた部活なのに、けっきょく、私以外誰も来てない部室ってさ……。
そんなこんなで、この日は私が思い立ったことを好きなようにやって終わった。
部活動を行っている教室をこっそりいくつか覗いた後、私は図書館の前に来ていた。
「あ。そうだ。なんか小説でも借りていこうかなぁ?」
私は読書が好きである。
本を読んでいると、あるときはファンタジーの世界で剣を振り回す主人公。またあるときは悲しい恋に生きるヒロイン。そんな、どこか別の世界の住人になれた気がして――楽しい気分になれる。
――あ。『これ』でもいいんだろうか……。
「あれ? 笑ちゃん」
とつぜん、知っている声に話し掛けられた。
驚いて振り返ると、そこには――
「茜さん」
そう、千種 茜さんがそこにいた。
「笑ちゃん、部活は?」
茜さんに尋ねられ、苦笑いで答える。
「実は――」
「大変ですねぇ」
本を数冊抱え、図書館を後にしながら会話する私達。
事情を聞いた茜さんは、私に同情してくれた。
「いったい、着ぐるみ理事長はなにがしたいんだか……」
溜め息を吐きながら、おもわず愚痴る。
「それで、見つかったんですか?」
茜さんの問いに、
「うん……まぁ……。でも、正直、この部活でやる必要はないのかも……」
「へぇ……?」
『?』マークが浮かんだ顔の茜さんに、私は自分がやろうとしていることを話した。
「――まぁ、いいんじゃないですか? それが趣味でやりたいことなら。だって、着ぐるみ理事長が趣味を追求する部活って言ったんでしょう? それに、私は嫌いじゃないっすよ」
「そ、そう? ありがとう」
茜さんの言葉に、私はなんだか少し安心したのと同時に、嬉しくなったのだった。
そして、ついでに、
「あ、茜さんも一緒に部室来る? いちおう、部室できたんだけど」
「え? 行ってもいいんですか?」
「おっけーおっけー。だって、べつに誰もいないし!」
そう言って、茜さんを一緒に部室へ連れて行くことにした。
――でも、自分で言ってて虚しくなったよ? むりやり作らされた部活なのに、けっきょく、私以外誰も来てない部室ってさ……。
そんなこんなで、この日は私が思い立ったことを好きなようにやって終わった。