グローリ・ワーカ   第3章:災難・その後

 再度アリスと合流し、ニールも――やはりいい顔はされなかったものの、なんとか家族から旅の許可を得た。
 あとは、リナに別れの挨拶に行くだけ――

「もう行っちゃうの――……?」
 旅支度を終えたマニュアに、リナが寂しそうに言う。
「うん……。ほんとうに、いろいろとお世話になったね。ありがとう、リナちゃん!」
 リナは首を横に振った。
「そんなことないよ……。私、楽しかった。――嬉しかった。冒険者にいい人達がいるってわかったから」
「リナちゃん……」
 感動のお別れシーン。
 その間に、作者はYouTubeを見て爆笑していた。
「おい!! 感動のシーンに水差すな!!!!」
 あぁごめん。続きどうぞ。
「……ったく」
「また遊びに来てよ」
「うん。ぜったい来るよ」
「ホワちゃん!」
「リナちゃん!」
 ひしっ!
 マニュアとリナは力強く抱き合った。
 やー。レズってる。
「誰が!!!!」
 すまんすまん。つい。進めて進めて。
「また来るよ! 今度は、平和になったら遊びに来る」
「うん」
 リナは涙目で、それでも笑顔で頷いた。
「じゃあね!」
「バイバーイ!!」
 こうして、5人と1匹に増えたパーティは静かに町を後にした。
 リナはその後ろ姿に向かって、いつまでも手を振り続けていた……。



「……そうやって綺麗なオチに見せかけておいてさ」
 ん?
「いつまで経っても森を抜けられないってどーゆーことぉ!?」
 嘆く5人。
 5人は迷いの森で、森の名のごとく、迷っていた……。
「おい! また魔物が現れたぞ」
 魔物が現れた。
 5人は戦闘態勢に入る。
「こんなの俺が一発で倒してやるよ!」
「ストーム! だめぇ!」
「よし。マニュア、歌いまーす♪」
「そのほうがもっとだめええええええええ!!!!」
「いっきまー……」
「みんな、あいつを止めろ!!!!」
「なに!? そんなやばいの!?」
 わーわーぎゃーぎゃー!
「なんなのぉ? とにかく、歌うからねっ!」
「マニュアちゃん、スト――――ッ………………!!!!」


 ………………。

 第4章が始まるまで、はたして無事に生き延びれるのだろうか……?