★ Christmas Tales 2016 ★




〜 桃太郎 〜

 むかしむかしあるところにおじいさんとおばあさんが住んでいました。
 おじいさんは山へ柴刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行きました。
 おばあさんが川で洗濯をしていると、川上からどんぶらこっこどんぶらこっこと大きな桃が流れてきました。
おばあさん(明子)「おや。なんて大きな桃。どこから流れてきたのかしら? 腐ってないかしら? 衛生面は大丈夫かしら?」
 そんなことを思いながらも、いちおう拾えるところまで流れてきたので、拾うだけ拾ってみました。
おばあさん(明子)「とりあえず持って帰るだけ持って帰ってみましょうか。愛するおじいさんのために」
 こうして、おばあさんは桃を家に持って帰りました。

おばあさん(明子)「おじいさーん」
おじいさん(光助)「おばあさん。おかえり……って大きな桃ぉ!? どうしたんだい、それ」
おばあさん(明子)「なんか川上から流れてきたの。とりあえず切ってみましょうか」
おじいさん(光助)「そうだね」
 桃を切ってみると、中から元気の良い男の子が飛び出してきました。
おじいさん(光助)「とつぜんの怪奇現象が!!」
おばあさん(明子)「うわぁ。桃汁でベタベタな男の子が……」
男の子(ストーム)「一言目の感想それって酷くね? たしかにそうかもしんねーけど! つーか、クリスマスに日本昔話やるのも不思議な感じするゼ……」
おばあさん(明子)「で、おじいさん。この子どうします?」
おじいさん(光助)「警察に子供を保護したって連絡するかい? でも、桃から出てきたなんて信じてくれなそうだし……。そもそもなんで桃に入っていたのか……」
おばあさん(明子)「うーん。その辺に捨ててくるのもかわいそうよねぇ。それにいちおう見た目は人間っぽいし、やっぱり捨てるのはちょっと……飼うしかないのかしら」
男の子(ストーム)「犬猫扱いかよ!」

 まぁそんなこんなで、おじいさんとおばあさんは男の子を桃太郎と名付け、飼い――育て始めました。
 男の子はすくすくと育ち、やがて元気で力強い立派(?)な男の子になりました。
桃太郎(ストーム)「その(?)はなんだよ」
 ある日、桃太郎は、鬼ヶ島の鬼がみんなを苦しめているという噂を聞きました。
 桃太郎はおじいさんとおばあさんに言いました。
桃太郎(ストーム)「俺、鬼ヶ島に行って鬼を退治してくる! そして有名人になる!」
おじいさん(光助)「なにをとつぜん。大丈夫か?」
桃太郎(ストーム)「なんだか『頭大丈夫?』的に言うのヤメテクダサイ」
おばあさん(明子)「じゃあ、このおやつのきびだんごを持って行きなさい」
 桃太郎はきびだんごを手に入れた!
桃太郎(ストーム)「じゃあ行ってくる!」
おじいさん(光助)「気を付けて行くんだぞ〜」
おばあさん(明子)「夕飯いらないんだったら早めに連絡入れるのよ」

 おじいさんとおばあさんに見送られ、桃太郎は長く険しい(?)旅に出ました。
 旅の途中、犬に出会いました。
犬(笑)「桃太郎さん、桃太郎さん! お腰につけたきびだんご。1つ私にくださいな♪」
桃太郎さん、桃太郎さん! お腰につけたきびだんご。1つ私にくださいな♪
 ちなみに、動物の衣装(着ぐるみ)提供は、着ぐるみ理事長さんでお送りします。
桃太郎(ストーム)「なんで犬が喋るんだ。ていうか、なんで俺の名前知ってるんだ」
犬(笑)「はっ。怖がられてる!?」
桃太郎(ストーム)「俺有名人!!!! すげー!!」
犬(笑)「あぁ……まぁ……はい……なんでもいいや」
桃太郎(ストーム)「つーか、たしかにあいつの言ってたとおり、(笑)だなー」
犬(笑)「ヤメテ。ほんとヤメテ」
桃太郎(ストーム)「じゃあ、きびだんごやるから。お供してくれ(カワイイ女の子は歓迎!)」
犬(笑)「(()内が透けて見えるけど)了解ー」
 犬(笑)が仲間になった!
犬(笑)「ナレーションまで(笑)つけなくていいから! ケンカ売られてる!?」

 しばらく行くと、次は猿に出会いました。
猿(葉乃)「桃太郎さん、桃太郎さん! お腰につけたきびだんご。1つ私にくださいな♪」
桃太郎(ストーム)「俺の噂は猿にまで。じゃあ、やるからお供に――……って、犬はいいのか?」
犬(笑)「なにが?」
桃太郎(ストーム)「犬と猿って仲悪ぃだろ?」
犬(笑)「いやべつに……会ったばかりで仲悪いとかなにもないよ……」
猿(葉乃)「うん。そう。それはない」
桃太郎(ストーム)「ならよし!(カワイイ女の子は歓迎!)」
猿(葉乃)「僕男だからね!?」
 猿が仲間になった!

 さらに行くと、今度は雉に出会いました。
雉(太一)「以下略」
桃太郎(ストーム)「雑過ぎじゃね!!??」
雉(太一)「もう何度も聞いてるだろうし、いいかと思って」
(やり取り省略)雉が仲間になった!
桃太郎(ストーム)「つーか、このメンツ……みんな主人公だな!?」
犬(笑)「あ。言われてみれば」
猿(葉乃)「そうだねぇ」
雉(太一)「まー俺のところはみんな主人公だけどな」
桃太郎(ストーム)「ってことは、俺も主人公だ――――!」
犬(笑)猿(葉乃)雉(太一)なんでそうなった!!!!????
桃太郎(ストーム)「よーし! この主人公の中の主人公! 桃太郎ことストーム様が鬼を華麗に退治してやるぜ! 待ってろ鬼ヶ島ー!!!!」
 桃太郎は一目散に駆け出しました。
犬(笑)「待ってよ、桃太郎――――!」

 こうして、桃太郎一行は鬼ヶ島に辿り着きました。
 鬼ヶ島の入り口には『鬼ヶ島』という看板が書き換えられ『サンタヶ島』と表記されています。
桃太郎(ストーム)「頼もう!」
サンタ鬼(大和)「お。いらっしゃい」
 鬼が桃太郎を出迎えました。
桃太郎(ストーム)「はっ! また主人公が! やっぱり俺も主人公!」
サンタ鬼(大和)「なんのこっちゃ。で、なんの用かね? プレゼントのリクエストかな?」
桃太郎(ストーム)「は? プレゼント?」
サンタ鬼(大和)「そう。プレゼント。それで来たんじゃないのかね?」
桃太郎(ストーム)「俺は、みんなが鬼に困らされてるって聞いたから、鬼を退治しに来ただけだ!」
サンタ鬼(大和)「え? 俺はみんなにプレゼントを配りに行っただけだが?」
桃太郎(ストーム)「え??」
サンタ鬼(大和)「だいたい、名前の表記をよく見てくれ。俺は鬼だが、今はサンタ鬼なんだ。子供達にプレゼントを配る。それが今の俺の使命だ」
桃太郎(ストーム)「どーゆーことだ? 困ってる、苦しめてるって……」
雉(太一)「あぁ。俺の聞いた話だと、サンタの恰好した鬼が子供達にプレゼントを配り歩いてるらしいんだが、そのプレゼントが不気味で泣く子が続出して困っていると」
桃太郎(ストーム)「え????」
サンタ鬼(大和)「なぜだ! なぜこのプレゼントの素晴らしさがわからない!!!!???? あ。桃太郎。君にもプレゼントだ!」
桃太郎(ストーム)「お。サンキュー! 何が出るかな♪」
 桃太郎はプレゼントを開けました。
桃太郎(ストーム)「……………………って、こ、怖いわ――――――――――――!!!!!!!!」
 中には、それはもう精巧な頭蓋骨が入っていました。
サンタ鬼(大和)「すごいだろう。その完成度」
桃太郎(ストーム)「リアル過ぎて引くわ! しかもちょっと髪の毛とか残ってたりするところがまたリアル!」
犬(笑)「そういえば、この部屋の中もドクロのアイテムでいっぱいだし……好きなんだね……」
猿(葉乃)「こ、怖い……」
サンタ鬼(大和)「骨の良さ。大切さ。そして、オカルトやミステリーの素晴らしさを広めるために、子供達にプレゼントを配っているのだよ!」
桃太郎(ストーム)「子供が泣くものをプレゼントしてなにがサンタだ! やっぱり俺がおまえを倒す! そして有名人になる!」
サンタ鬼(大和)「やってみろ!」
桃太郎(ストーム)「うおおおおおおおお!!!!」
 ドタンバタン。
犬(笑)「せめて、ドクログッズでも、もっとかわいいものにすればいいのにね」
猿(葉乃)「あ。そうだね。子供受けしそうなやつとか」
雉(太一)「こっちのおもちゃなら、ドクロでも面白いし、子供喜びそうじゃないか?」
 ドタンバタン。
桃太郎(ストーム)「はぁ、はぁ……」
サンタ鬼(大和)「はぁ、はぁ……。おまえ、なかなかやるな……」
桃太郎(ストーム)「へへ……おまえもな……」
 ガシッ。
 2人は力強い握手を交わしました。
犬(笑)「ねーねー。サンタ鬼さん。これとかプレゼントしてみたらどうですか?」
サンタ鬼(大和)「ん?」
 犬、猿、雉は、部屋にあったドクログッズから子供が喜びそうな面白い、かわいいものを厳選して見せました。
雉(太一)「この喋るドクロや動くガイコツなら、見た目もそう怖くないし、子供受けもいいと思うぞ。あと、こっちのドクロアイテムは割とかわいいから女の子でも気に入りそうだ」
猿(葉乃)「こういうのなら子供も喜んでくれると思うよ。黒井さんも喜びそう。っていうか、サンタ鬼さん、黒井さんと気が合いそう……サンタ鬼さん結構イケメンだから会わせたくはないな……」
 最後は小声でぼそりと呟きました。
 サンタ鬼はそのアイテムを見て満足そうに頷くと、
サンタ鬼(大和)「なるほど! そうやもしれぬな! いきなりあれでは、子供達にはレベルが高かったか! ではさっそく、プレゼントの準備に取り掛かるとしよう! 桃太郎! 犬! 猿! 雉! 梱包、配達の手伝いを頼む!」
桃太郎(ストーム)犬(笑)猿(葉乃)雉(太一)
 ――こうして、桃太郎は子供達にプレゼントを配り歩いたのでした。
桃太郎(ストーム)「桃太郎がサンタクロースになる話だったのか、これ!?」
 めでたしめでたし。

桃太郎
キャスト
桃太郎 ストーム・カーキー (グローリ・ワーカ)
おじいさん 光助 (ひので町コント)
おばあさん 明子 (ひので町コント)
木谷 笑 (エンタメクラブ)
川野辺 葉乃 (僕の生存日記)
太一 (ひので町コント)
サンタ鬼 黒崎 大和 (ミス研日誌)